『R35 & 金融市場経験者 には5☆、それ以外の人には??』
ビジネスノベル(経済小説)としてもおもしろいと思いますが、バブル前後の金融市場(株式、債券、外国為替、デリバティブ等々)を実際に経験している人にはとても興味深いと思います。
ただ、金融業界の専門用語が頻発するので、巻末に用語集やスキーム図まで付いていますが、抵抗感が先に立ってスムーズに読めない方もいるのはやむを得ないでしょう。日経新聞の金融欄が抵抗なく読める位なら大丈夫かな?
3人の主人公が登場しますが、シッカリと個性が書き分けられ、キャラクターの混乱はないと思います。モデルになる実在の人物が複数いるのでしょうが、書いている作者の力量も立派だと思います。
また、この作者の特長だと思いますが、海外や国内の景色や食べ物、地元の人々がとても印象深く登場し、簡単な調査やガイドブックの請け売りではなく、作者自身の豊富な実経験に裏打ちされているように感じました。「悪役」として登場する人々もとてもリアルに書き込まれていると思います
主人公が転職直後に、慣れない海外勤務のストレスからついつい奥さんにつらく当たってしまうところなど、私自身もちょっと似たような経験があり、ずしんと重い描写でした。